聞き書き「テニス自分史」vol.3ミキティ
聞き書き「テニス自分史」vol.3
テニス一家の私の秘密
ミキティ こと 村松美樹
[まえがき]
1975年9月生まれの私がテニスを始めたのは、テニスをしていた両親の影響でした。
中3で住んでいた広島での初試合でベスト6になった私をテニスの強い高校に入れさせたかった両親は、一家で愛知に引越するほどテニスに熱心な両親でした。
弟も現在、職業テニスコーチでその2人の子供である、私にとっての甥(中3)と姪(中1)も全国レベルでテニスをしていて、テニス一家です。
今でこそ、私は名古屋グリーンで優勝したり西濃オープン準優勝したり、いろんなオープンの大会にエントリーしているけど、みなさんにお話しできるような特別なテニスのエピソードがあるわけではありません。
でも、今回「テニス自分史」がスタートするということで、自分のテニス生活の中で気が付いた事、感じた事などを自分なりにお伝えできたらいいなと思い、過去を遡って思い出してみました。
今の私の生活には、テニスは欠かせないものになっているので、私のつたない話でも誰かの「気付き」のきっかけになったり、みなさんに少しでもテニスの魅力が伝わり、誰かのテニスを始めるきっかけになれば、こんな私でもお役に立てたと思えて嬉しいです。
2025年2月吉日 ミキティ こと 村松美樹
[テニス一家の私の秘密とは]
高校の部活からテニス部でしたが、それまでは、何歳からテニスを始めたか覚えていないほどで、すごくテニスに夢中だったわけではありません。
中学の部活も1年は陸上部、2・3年のときは水泳部で、テニスは両親と週末にやっていたぐらいでした。
テニスに熱心な両親に言うのは申し訳なくて、今まで内緒にしていた秘密は、実はテニスはいやいや、やらされていた感覚があって、大学卒業と同時にテニスを辞めた理由も、実はテニスが好きではなかったのです。
今のテニスに夢中の私からは想像できないと思いますが、ずっと内緒にしていた秘密をここで暴露したのは、本音で話さないと自分の人生が噓になってしまうと思ったからです。
でも今となってはテニスを始めた原点が、両親だったということにすごく感謝しています。
[全国レベルの甥と姪]
全国レベルの中学3年の甥と中学1年の姪は3~4歳からテニスをしていて、今では私よりすごく強くて、甥とはいつかミックスに、姪とは女ダブに一緒に出たいと思っています。
2023年 全日本ジュニア選手権東海大会予選 東海中日ジュニアでは、甥の龍はシングルスが優勝、ダブルスが準優勝。姪のあおいはシングルスベスト4 ダブルス優勝の戦績。
2021年のときは、龍が12歳以下シングルス全国ベスト8だったし、私ともペアでミックスの試合に出てる、草トーでも優勝回数が多数で草トーに出ている人には有名な、あの「カリスマ」に実は甥は勝ってるんです!!
本当に2人には これからも頑張ってほしいと思ってます。
[テニスの復活]
大学でテニスを辞めた私がテニスに復活したのは、23歳で結婚して 出産した2人の子どもの手が離れた頃に、スクールの体験チラシをふとみつけたから。
テニスが好きでなくて辞めたのに、復活しようと思ったのは、今、考えるとテニスに呼ばれていたような気がします。
テニスに復活した頃の私は、スクール以外ではサークルに入ったけど、とにかく誰よりも一番自分が下手で私と組めば「負ける下手な自分」「できない自分」が悔しくて泣きながらテニスをしていて、いつかうまくなってやるって、いつも思ってたぐらい熱い時代もありました。
学生時代には、現役の松岡修造さんや、伊達公子さんや杉山愛さんとも写真撮影してもらったことがあるけれど、7歳年下で今でも交流がある、山本麻友美プロが引退した後、ご縁があって教えてもらった時は、打ち方が綺麗すぎて、テニスが強すぎて衝撃を受けたこともあります。それが今でも私の脳裏に焼き付いていて忘れられません。
[気付きがあった出会い]
テニスに復活して今ではいろんな試合にもエントリーしているけれど誘われたら行くという感じで、そんなに仲良くしている人もいなくて、あまり深く付き合ってなくても、それが普通だと思っていました。
唯一、1番古くて昔からテニス以外の話もできて、いろいろ相談に乗ってもらって感謝しているのは、まゆみさん。
そんな私が転機となった出会いは、つい最近で、去年2024年の5月の岐阜のニッケテニスドームのミックスでした。
その出会いの相手が実は、西岡良仁プロの春日井のイベントの主催者の心美さんでした。
この日、心美さんはYouTube出演して「日本一試合に出る男」と言われているチャンプに、あと1ペアいないと中止になるからと呼ばれて、初めてオープンの大会にエントリーしてました。
心美さんは初中級だからオープンの大会には普段はでないけれど、2024年3月10日に心美さんが主催した春日井市制80周年記念テニス大会にキャンセルがでたときに、会ったこともないチャンプが他の大会をキャンセルしてまでエントリーしてくれたことを恩を感じていて、場違いなオープンの大会に来たという話を聞いて、なんて律儀な人だろうと思ったのを覚えています。
この日は、偶然、私が仲良くしているまゆみさんもエントリーしていて、3人の今後に繋がる貴重な出会いの日となりました。
そのとき、ライン交換したのがご縁で、心美さんが主催する月の砂漠ミックス大会にもお声をかけていただけ、翌月の6月に初参加し終わってからデニーズでご飯を食べたとき、初めてゆっくりお話できました。
[傷つけてしまった学びとなった出来事]
心美さんが主催した現役日本ランキング1位の西岡良仁プロの春日井イベントの企画から開催までのお話や、運営している月の砂漠のテニスサークルのお話とか、たくさん聞かせてもらって、大きなイベントを成功させるまでの苦労や努力の話を聞いて、今度、何かやるときは、ぜひ私もお手伝いさせてほしいと思いました。
それまでの私は自分から行動したこともなかったのに、初めて自分から行動したいとなぜか思ったし、心美さんとは本音で話をしなきゃいけない人だと直感で思って、次の日に心美さんを呼び出して自分の気持ちを伝えてテニス以外の話をして本音でぶつかりました。
すると、心美さんは本音をぶつけたことをすごく喜んでくれて、それから、すごく仲良くしてもらえました。でも、その2ケ月後の8月ある出来事で、私が心美さんをとても傷つけてしまいました。
故意ではなかったけれど、心美さんの考えや思いを聞いているから、よく考えたら分かったはずなのに、その時の私は、それに気が付かずに行動して、結果的に心美さんを深く傷つけることになってしまいました。でも、そのことは心美さん本人に指摘されるまで気が付きませんでした。
指摘されてから気が付いた私は、心美さんとの信頼関係を取り戻したくて、何度も何度も丁重に謝罪しました。許してもらえなくても仕方がないと思っていたけれど
「何度も誠意をもって謝罪するのに、それを受け入れなかったら、自分は器の小さい人間だと思う」
と言って許してくれました。
本当は物凄く傷ついているはずなのに。その時、私は学びました。何か発言、行動するときは、それを言ったり、することによって、相手がどう思うかを考えて行動しなければいけないと。
「言葉は人を傷つけることもできるし、救うこともできる」と心美さんは言っていたけれど、私もそれをよく頭に入れて、相手のことを考え今後は発言もしようと考えさせられました。
いつも人に対してとても配慮した対応をしている気遣いのある心美さんは、常に頭をフル回転させて、いろんなことを奥深く考えてるし、行動力も半端ないです。
それゆえ、まわりの人から誤解されてしまったり、批判されたりすることも多かったと思いますが、でも人とは違う視点で物事をみている心美さんだからこそ、普通の人ができないことでも0から1にできるんだと思います。
心美さんと出会ってから、心美さんが主催する月の砂漠ミックス大会に参加させてもらったり、心美さんのYouTubeに出演させてもらったり、心美さんの企画するものなどに関わらせてもらえて本当に楽しく過ごせています。
ボランティアだけど信念を持ってガチで取り組んでいて、なんでも早く行動力のある有言実行の人。
そんな唯一無二の心美さんと出会えて、自分に「気付き」と「学び」を与えてもらえたことを、本当にありがたく思ってます。
私は、最近、孫が誕生したけれど、孫ともいつか一緒にテニスができる日を夢見て、今後も心美さんを含め、信頼できる仲間たちと一緒に楽しくテニスの活動ができたらいいなと思ってます。
[あとがき]
人は自分が何かやりたいとき、何かしてほしい時だけ、頼んだり近づいたりする人が多いと思います。だけど、それは自分本位でフェアではないと思ってます。
何かをしてもらったら感謝の気持ちを忘れずに、お礼だけでなく恩返しまでするのが大切なことだと思います。ギブアンドテイクが大事ですよね。
今まで人のために一生懸命、動いてきた心美さんだけど、これからは自分のために自分がやりたいことをやって欲しいし、そんな心美さんと繋がって、たくさんのコミュニケーションをとって私が出来ることは優先して協力してあげたいなと思えました。
そんなふうに思わせる心美さんのような貴重な存在の人と出会えたのも、テニスのおかげです。
テニスを通してしか出会えなかった人たちもたくさんいます。今まで出会った人たちも含め、これからもテニスを通して、たくさんの人と出会い、テニス人生を楽しんでいきたいと思っています。
そして、そんな素晴らしいと思うテニスの魅力を伝えて、それが1人でも多くのみなさんにテニスを始めてもらうきっかけになったら、私もとても嬉しいです。
聞き書き「テニス自分史」vol.3
テニス一家の私の秘密
ミキティ こと 村松美樹
取材・文・編集
月の砂漠プロジェクト 心美
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